目の中のレンズ(水晶体)が主に加齢によって濁る状態が白内障です。水晶体が濁ると、光がうまく通過できなくなったり、光が乱反射して網膜に鮮明な像が結べなくなり、視力が低下してしまいます。 白内障は、様々な原因で起こりますが、最も多いものは加齢によるものです。これは「加齢性白内障」と呼ばれ、個人差はありますが、誰でも年をとるにつれて水晶体は濁ってきます。
最近では、アトピー性皮膚炎や糖尿病などの合併症として、若い人の発症が増えています。 その他、母親の体内で風疹に感染するなどが原因で生まれつき白内障になっているケースや、目のけがや薬剤の副作用から白内障を起こす場合もあります。
白内障の主な症状
眼がかすむ
物がぼやけて二重、三重に見える
薄暗いところが見えにくく感じるようになる
光がまぶしく感じる
視力が低下して眼鏡が合わなくなる
こんな時は手術を考えましょう
- 視力が低下して、仕事に支障がある。
- 外ではまぶしくて、極端に見えづらい。
- 視力が0.7以下になって、運転免許の更新ができない。
白内障手術に使用する眼内レンズには、
単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズの2種類があります。
●単焦点レンズ
単焦点眼内レンズを入れた後は白内障の濁りがなくなり非常に明るくなり見やすくなりますが、1つの焦点しか合わないため、手元の新聞も、遠くの看板も両方の距離がくっきり見えるという訳ではありません。
近く(手元の距離)に焦点を合わせた眼内レンズを入れた方は、運動をする時や、知らない町を歩く時には、遠距離用の眼鏡が必要となります。遠く(数メートル先)に焦点を合わせた方は、遠方の文字はある程度読めますが、手元のメモを読む時に、近距離用の眼鏡が必要となることがあります。
●多焦点レンズ※多焦点眼内レンズ希望の患者様へ 当院は、選定療養実施機関です。
多焦点眼内レンズ希望の患者様へ
当院は、選定療養実施機関です。 そのため、多焦点眼内レンズを使用する白内障手術が割安で受けられます。
多焦点眼内レンズ代金19万円〜34万円に保険診療代金を加えた金額になります。
※白内障手術は年間1000例近い実績があります。
多焦点眼内レンズは、焦点を1つの距離のみに合わせる単焦点眼内レンズと異なり、遠距離、中間距離、近距離など複数に焦点が合います。 多焦点眼内レンズは、若い頃のような見たいところに焦点を自由に合わせてくれる水晶体とは違うので、位置により見えにくい場所は、眼鏡が必要となることもあります。
また、細かい文字を読んだり、長時間読書をする時なども、眼鏡をかけた方が楽な場合もあるでしょう。 多焦点眼内レンズは、遠距離、中距離、近距離など複数に焦点を合わせられるよう設計されています。多焦点眼内レンズでの見え方に脳が慣れるには、年齢や個人間の差はありますが、一般に数ヶ月程度かかるといわれています。また、暗いところでは単焦点眼内レンズと比べ、くっきり感がやや落ちる可能性もあります。薄暗い場所や夜にライトなどを見ると、光の輪やまぶしさを感じることもありますので、特にレンズを入れた後の数ヶ月は、夜間の車の運転などには注意が必要です。
また、多焦点眼内レンズを選択される時は、両方の眼に多焦点眼内レンズを入れた方が、遠距離、中間距離、近距離においてよりよい見え方が期待できます。